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椿屋桜花の日常をつらつらと
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 今日、部活中に一匹の小鳥が窓に激突した。

多分、当たった時に首の骨を折ったのか

体が不自然な方向へ曲がっていた。

中一に触らすわけにいかず、高校2年二人でその小鳥をそっと手に取った。

鳥インフルの事なんか考えてなかった。

まだ息はあった

必至だった。

中三と高2が生物の先生を呼びに行った。

私は、「すごい勢いで祈れ!マリア様に!祈って!」

と言った。

皆祈った。

小さく、息がしにくそうだった。

頭が後ろへ下がっていしまっていた。

置くにも、置いたら首が立たないのでちょっとだけ支えていた。

命の灯火が消えそうだった。

一緒に拾った高2が「ああ、ダメだよ!目、閉じたら駄目!」

と叫んでいた。

私の手の中で、灯火が消えて行くのを感じた。

ゆっくりゆっくり、落ちて行った。

生物の先生が来た。

ティッシュの上にそっと小鳥を置いた。

綺麗な、黄色の翼だった。

死んだか、気絶したのか。

でも、手の内に置いていた、私だけが気付いていた。

もうすぐ、死ぬんだと。

ゆっくり、ゆっくり、落ちて行ったと。

言わなかった。

気絶かもしれないと言った

みんな なんとなくわかっていた。

死後硬直が始まって、先生がマスクを持ってきた。

「野鳥だったら鳥インフル怖いから。」

リアルな話だ。

小さな灯火が消えたというのに、たくさんの菌と共存している小鳥は

人間にはあわないものを沢山つけてる。

リアルだ。でもそれは事実だった。

マスクを回して行った。皆付けた。

中一が泣いていた。

私は涙を流さなかった。

いつからだろか。死ぬ、ということにたいして深く理解しようとし始めたのは。

悲しかった。辛かった。

涙は出なくても、ただ単純に悲しいんじゃなくて

死ぬってこういうことか。と理解しようとしている自分がいた。

いつか、この中一もそんな事を考えるのか、と思っていた。

そんな生意気なことを考えていた。

中三が静かに泣いていた。雰囲気上、私ともう一人がフォローや場の空気を盛り上げるために

冗談めいた事を言えば、その子も乗ってくれていた。

いつもは生意気で可愛い後輩。

そんな子が静かに泣いていた。

小鳥は7人に見守られて、逝った。

小鳥なのだから、きっとちゃんとした方向へ飛んで行けるし

祈ったのだから、マリア様がきっと呼んでくれただろう。

少しばかり、沈黙した。


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